AI博士の開発背景を象徴するイメージイラスト

【開発秘話】なぜ私は、福祉の現場で「AI博士」を創ったのか?

こんにちは、福祉×AIクリエイターの山本です。先日、このサイトに新しい機能として「AI博士の談話室」を追加しました。

一見すると、これはただのAIチャットボットに見えるかもしれません。しかし、このツールが生まれた背景には、私が就労支援の現場で日々感じていた、声なき心の叫びがありました。これは、単なる技術デモではありません。私が「福祉×AI」というテーマで、本当に実現したかったことの一つの「形」なのです。

課題:言葉にならない「心の壁」

就労支援の現場には、素晴らしい個性や才能、そして「何かをしたい」という静かな情熱を持った仲間たちがたくさんいます。しかし同時に、彼らの多くが、目に見えない「壁」に直面していることも事実です。

「自分の考えをうまく言葉にできない」
「こんなことを相談したら、相手にどう思われるだろう」
「自信がなくて、最初の一歩が踏み出せない」

人間関係が希薄となり、心もとない言葉が返ってくることもしばしばある中で、気軽に悩みを相談できる場所を提供したいとテクノロジーの力で、誰にも気兼ねなく、そして優しく取り払うことはできないだろうか? その想いが、このツール開発の原点となりました。

着想:AIは、最高の「壁打ち相手」だった

私自身、AIとの対話に何度も救われてきました。自分の頭の中にある漠然としたアイデアをAIに話しかけると、AIはそれを整理し、新しい視点を与えてくれます。このプロセスは、まるで思考の「壁打ち」です。

そして気づいたのです。AIは、人間にはない、カウンセラーとしての素晴らしい資質を持っていることに。

  • 評価しない:AIは、あなたの言葉を「良い/悪い」で判断しません。
  • いつでも付き合ってくれる:深夜でも早朝でも、あなたの気が済むまで、何度でも話を聞いてくれます。
  • 完全に忘れてくれる:対話を終えれば、AIはあなたの話を忘れます(※プライバシー設計によります)。この「忘れられる権利」が、心理的な安全性を生み出します。

「これこそ、心理的安全性が何よりも求められる福祉の現場に最適な『壁打ち相手』ではないか」——その確信が、「AI博士」のコンセプトへと繋がりました。

こだわり抜いた「3つの安全設計」

「AI博士」を開発する上で、私が単なる技術デモではなく、福祉のツールとして絶対に譲れなかったのが、ユーザーの心理的安全性を守るための3つの設計原則です。

1. プライバシーの絶対保護

AI博士との対話内容は、あなたのブラウザの中にのみ記録され、外部のサーバーには一切保存されません。これは、「何を話しても、ここだけの秘密」という絶対的な安心感を提供するための、最も重要な設計です。

2. ユーザー主導の対話

対話の履歴を保存するか、新しい対話を始めるか。その決定権は、常にあなたにあります。自分のペースで、自分自身と向き合う時間を、誰にも邪魔されないように設計しました。

3. 誠実なペルソナ

AI博士は、断定的なアドバイスをしません。彼女の役割は、あなたの話に優しく寄り添い、あなたが自分自身の力で答えを見つけるための「ヒント」や「別の視点」を提示することです。分からないことは正直に「分かりません」と答える、誠実なパートナーです。

このツールが描く未来

「AI博士の談話室」は、単なる悩み相談ツールではありません。私が本当に願うのは、このツールが、利用者の皆さんがご自身の創造性や可能性に気づくための、最初のステップになることです。

AI博士との対話を通じて、「自分の悩みは、こういうことだったのか」と客観的に理解できたり、「こんなことに興味があったんだ」と新しい自分を発見したり。その小さな気づきが、次の創作活動へのアイデアや、新しい一歩を踏み出す勇気に繋がっていく。そんな温かい循環を生み出すことが、このツールの真の目的です。

まとめ:AI博士は、いつでもあなたを待っています

AI博士は、私のミッションである「福祉の現場に、新しい『できる』と『楽しい』を届ける」という想いを形にしたものです。ぜひ一度、「AI博士の談話室」を訪れ、彼女に話しかけてみてください。

そして、使ってみた感想や、「こんな機能があったら嬉しい」といったご意見があれば、ぜひこの記事のコメント欄でお聞かせください。皆様の声が、AI博士をさらに成長させる、最高の栄養となります。

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この記事を読んで生まれた疑問や、さらに深掘りしたい点はありますか?AI博士が、あなたの質問に優しく、そして詳しくお答えします。

この記事を書いた人:福祉×AIクリエイター 山本 倫久

就労支援B型事業所の利用者としての実体験を基に、AI技術で福祉の現場に新しい「できる」と「楽しい」を届けることをミッションとして活動中。

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