大きな葉っぱの後ろから顔を出す、恥ずかしがり屋のキノコ「リリー」の絵本イラスト

【実践レポ】自作プロンプトでAIに「友達」がテーマの絵本を作らせたら、感動の物語が生まれた話

こんにちは、福祉×AIクリエイターの山本です。

自分の作った道具って、本当にちゃんと動くんだろう? ときどき、そんな風に不安になることがあります。当サイトで公開しているプロンプト集も、私にとっては大切な「道具」の一つです。

そこで今回は、公開している「子供向け知育絵本プロンプト」が本当に使えるのか、制作者である私自身が徹底検証してみたいと思います!

AIとの対話で物語を考え、イラストを作り、一つの作品に仕上げていく。その共同制作の一部始終を、包み隠さずお見せします。果たして、どんな絵本が生まれるのでしょうか?

ステップ1:AIに「絵本作家アシスタント」になってもらう

まずは主役の登場です。今回は対話AIとしてGoogleの「Gemini」にお願いすることにしました。Geminiの入力欄に、公開している指示書をまるごとコピー&ペーストします。

すると、Geminiから「準備ができました。どのようなテーマの知育絵本を作りますか?」と返事が。無事に、私の専属「絵本作家アシスタント」が誕生したようです。

ステップ2:「友達」というテーマを投げてみる

アシスタントの問いかけに、私はシンプルに「友達」とだけ入力してみました。AIとの対話は、難しく考える必要はありません。一番伝えたいキーワードを投げるだけで、あとはAIがよしなに考えてくれます。

さて、AIアシスタントからの最初の提案がこちらです。

AIからの提案:タイトルと章立て

タイトル: ちいさなキノコのリリーとふわふわのお友達
サブタイトル: みんなちがって、みんないい!

イラストプロンプト (表紙):Cute children's book illustration style, a shy little mushroom named Lily with a bright red cap, peeking out from behind a large, friendly green leaf, surrounded by a gentle forest setting, simple, warm colors, watercolor texture, soft sunlight filtering through the trees.

  • 第一章: ひとりぼっちのリリー
  • イラストプロンプト (第一章):Cute children's book illustration style, a small, lonely mushroom named Lily sitting by herself under a big tree, looking a little sad, surrounded by colorful flowers, simple, warm colors, watercolor texture.

  • 第二章: ふわふわの出会い
  • イラストプロンプト (第二章):Cute children's book illustration style, Lily the mushroom looking surprised and happy as a fluffy, friendly cloud animal floats down to greet her, gentle sunlight, simple, warm colors, watercolor texture.

  • 第三章: ちいさなちがい、おおきな発見
  • イラストプロンプト (第三章):Cute children's book illustration style, Lily the mushroom and the fluffy cloud animal playing together, showing their different ways of moving and interacting, happy expressions, simple, warm colors, watercolor texture.

  • 第四章: あたらしいお友達
  • イラストプロンプト (第四章):Cute children's book illustration style, Lily the mushroom, the fluffy cloud animal, and other forest animals (a gentle rabbit, a friendly squirrel) happily gathered together, sharing a laugh, simple, warm colors, watercolor texture, forest background.

  • 第五章: みんなちがって、みんないい!
  • イラストプロンプト (第五章):Cute children's book illustration style, Lily the mushroom and all her diverse friends (cloud animal, rabbit, squirrel, a tiny bird) standing together in a circle, holding hands (or paws/wings), smiling, emphasizing their unique qualities, simple, warm colors, watercolor texture, a rainbow arching gently in the sky.

  • 裏表紙
  • イラストプロンプト (裏表紙):Cute children's book illustration style, Lily the mushroom and her friends waving goodbye from a distance, silhouetted against a warm, setting sun, cozy forest path, simple, warm colors, watercolor texture.

素晴らしい…!「友達」という一言から、「多様性」をテーマにした、こんなにも心温まる物語の骨子を一瞬で作り上げてくれました。「みんなちがって、みんないい!」というサブタイトル、素敵すぎませんか?

ステップ3:AIと一緒に、挿絵を作ってみる

次に、AIが提案してくれたイラスト用プロンプトを、画像生成AIの「ImageFX」にコピー&ペーストして、各シーンの挿絵を作ってもらいます。物語の流れに沿ってご紹介しますね。

▼ 表紙:恥ずかしがり屋のリリー

大きな葉っぱの後ろから顔を出す、恥ずかしがり屋のキノコ「リリー」の絵本イラスト

▼ 第一章:ひとりぼっちのリリー

大きな木の下で寂しそうに座る、ちいさなキノコ「リリー」の絵本イラスト

▼ 第二章:ふわふわとの出会い

空から舞い降りてきた「ふわふわ」と出会い、驚き喜ぶリリーの絵本イラスト

▼ 第三章:ちいさなちがい、おおきな発見

リリーとふわふわが一緒に遊んでいる様子の絵本イラスト

▼ 第四章:あたらしいお友達

リリーとふわふわ、そしてリスさんが楽しそうにおしゃべりしている絵本イラスト

▼ 第五章:みんなちがって、みんないい!

リリーと多様な仲間たちが手を取り合って輪になっている、虹のかかった絵本イラスト

▼ 裏表紙:

夕日を背景に、遠くから手を振るリリーと仲間たちの絵本イラスト

これも素晴らしいクオリティです。指示書に「優しく、暖かく、シンプルな絵本風のスタイル」と指定しておいたルールを、AIは完璧に守ってくれています。

ステップ4:AIが紡いだ物語

最後に、AIアシスタントに執筆してもらった物語の全文をご紹介します。子どもたちにも伝わるよう、優しく、そして大切なメッセージが込められた物語が生まれました。

『ちいさなキノコのリリーとふわふわのお友達』

大きな葉っぱの後ろから顔を出す、恥ずかしがり屋のキノコ「リリー」の絵本イラスト

第一章:ひとりぼっちのリリー

大きな木の下で寂しそうに座る、ちいさなキノコ「リリー」の絵本イラスト

ちいさなキノコのリリーは、森のすみっこでひとりぼっちでくらしていました。 リリーのまっかな帽子は、雨上がりのしずくをきらきらと輝かせたけれど、リリーはなんだかさみしそう。ほかのキノコたちは、みんなでくっつきあって楽しそうにおしゃべりしているのに、リリーは少しはずかしがりやさんだから、いつも遠くから見ているだけでした。まわりにはきれいなお花がたくさん咲いていたけれど、リリーの心はちっとも晴れませんでした。

第二章:ふわふわの出会い

空から舞い降りてきた「ふわふわ」と出会い、驚き喜ぶリリーの絵本イラスト

ある日、リリーがいつものように森を眺めていると、ふわふわとした白いものが、ゆらゆらと空から舞い降りてきました。 「あれ?あれはなんだろう?」リリーは目をまるくして見上げました。それは、まるで雲から生まれたみたいに、ふんわりとやわらかそうな、ちいさな生きものでした。その生きものは、リリーの目の前にそっと降り立つと、にこっとわらって言いました。「こんにちは!ぼく、ふわふわだよ。きみはだあれ?」リリーはびっくりしたけれど、なんだか温かい気持ちになりました。

第三章:ちいさなちがい、おおきな発見

リリーとふわふわが一緒に遊んでいる様子の絵本イラスト

ふわふわは、リリーとはぜんぜんちがっていました。 リリーは地面から動けないけれど、ふわふわは空を自由に飛び回ることができます。リリーは雨の日が好きだけど、ふわふわは太陽の下でキラキラ輝くのが好き。ふたりはいろいろなことをして遊びました。ふわふわが空からきれいな葉っぱを見つけてきてくれたり、リリーが知っている森のおもしろい話をふわふわに教えてあげたり。ちがうことがたくさんあるけれど、ふたりでいると、いつも新しい発見があって、ドキドキわくわくしました。リリーは、ひとりぼっちだったころのさみしさをすっかり忘れていました。

第四章:あたらしいお友達

リリーとふわふわ、そしてリスさんが楽しそうにおしゃべりしている絵本イラスト

リリーとふわふわが森で遊んでいると、ふわふわの友達が次々とやってきました。 おっとりしたウサギさん、おしゃべりなリスさん、そして歌が上手な小鳥さん。みんな、リリーとは形も色も得意なことも違いました。ウサギさんはぴょんぴょん跳ねて見せてくれたり、リスさんは木の実を集めるのがとても速かったり、小鳥さんは美しい歌声で森に響かせたり。リリーは、そんなみんなの素敵なところに気づくことができました。みんなが自分とは違うけれど、それぞれの良いところを出し合って、一緒に笑い合うのは、とっても楽しいことだと知ったのです。

第五章:みんなちがって、みんないい!

リリーと多様な仲間たちが手を取り合って輪になっている、虹のかかった絵本イラスト

リリーは、もうひとりぼっちではありませんでした。 ふわふわやウサギさん、リスさん、小鳥さんと一緒に、毎日が新しい発見と笑顔にあふれていました。みんな、それぞれ違うけれど、その違いが、新しい遊びや、楽しいアイデアをたくさん生み出してくれました。リリーは、みんなと手をつなぎながら、心の中でつぶやきました。「みんなちがって、みんないい!これがほんとうの友達なんだね。」森には、リリーと友達たちの笑い声が、いつまでも響き渡っていました。

また会おうね

夕日を背景に、遠くから手を振るリリーと仲間たちの絵本イラスト

考察:AIとの共同制作で見えた可能性

自作プロンプトを使ってみて、改めて感じたのは「AIは、私たちの創造性を拡張してくれる最高のパートナーだ」ということです。特に、今回の生成結果には、私のミッションである「福祉×AI」に通じる、大きな発見がありました。

  • AIが生んだ「多様性」というテーマ:私が与えたテーマは「友達」というシンプルな一言だけでした。それに対しAIは、「みんなちがって、みんないい」という、まさに福祉の現場で最も大切にされるべき「多様性の尊重」というテーマを、物語の中心に据えてくれました。これは、AIが人間の創造性を補い、より深いテーマへと導いてくれる可能性を示唆しています。
  • 制作プロセスの価値:完成した作品もさることながら、AIと対話しながら「どんな物語にしようか」「このキャラクターはどんな子だろう」と考えるプロセスそのものが、非常に楽しく、創造的な時間でした。この「作る喜び」こそ、福祉の現場で多くの方と分かち合いたい価値なのだと、改めて実感しました。

まとめ:あなたも今日から絵本作家!

いかがでしたでしょうか。自作プロンプトの検証は、AIとの楽しい共同作業となり、心温まる一作が生まれるという、最高の結果になりました。

この記事を読んで「自分もやってみたい!」と感じていただけたなら、とても嬉しいです。AIとの絵本作りは、決して難しいことではありません。

さあ、あなたも絵本を作ってみましょう!

AIとの創作を始めるために、必要なものはすべてこのサイトに揃っています。

あなたもこのプロンプトを使えば、今日から絵本作家です!ぜひ、あなただけの素敵な物語を、AIと一緒に紡いでみてください。

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この記事を書いた人:福祉×AIクリエイター 山本 倫久

就労支援B型事業所の利用者としての実体験を基に、AI技術で福祉の現場に新しい「できる」と「楽しい」を届けることをミッションとして活動中。

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