ステップ3:AIで創る②(音声・動画編)
講座⑭:動画制作【企画・台本編】
第1章:なぜ、面白い動画は「企画」が9割なのか?
Sunoでの作曲、お疲れ様でした!あなたはもう、自らの手で、世界に一つだけのメロディーを奏でることができる、新時代の音楽家です。
さあ、いよいよ、あなたがこれまでに手に入れた、イラスト、デザイン、音楽、その全ての創造力を結集させる、総合芸術「動画制作」の冒険が始まります!
しかし、その前に。多くの動画制作初心者が、そして悲しいことに、多くのプロでさえも見落としてしまう、成功のための、たった一つの、最も重要な真実をお伝えします。それは、「面白い動画は、撮影が始まる前に、その9割が完成している」ということです。
この講座の目的は、AIという最高のアイデアパートナーと共に、あなたの動画が、たくさんの人に「面白い!」「続きが見たい!」と思ってもらえるための、完璧な「設計図」を描き上げる技術を、その手に収めることです。
第2章:ChatGPTを使い、無限に動画のアイデアを生み出す発想法
「どんな動画を作れば、見てもらえるんだろう…」クリエイターなら誰でも、この「アイデアの枯渇」という恐怖に直面します。でも、ご安心ください。あなたの隣には、24時間365日、無限のアイデアを提案してくれる、最高のブレインストーミングパートナー、ChatGPTがいます。
【実践】AIを「アイデアの泉」にする魔法の質問術
例えば、あなたがステップ2で創った「丁寧語のハムスター」のキャラクターで、ショート動画を作るとします。AIに、こんな風に、役割と条件を与えて、壁打ち相手になってもらいましょう。
あなたはプロの放送作家です。私が考えた「やたらと丁寧語を使うハムスター」というキャラクターが主人公の、1分程度のYouTubeショート動画の企画案を5つ、提案してください。ターゲットは、仕事で疲れた20代の女性です。癒やされるだけでなく、少しだけクスッと笑えるような、意外性のある企画をお願いします。
あなた一人では思いつかなかったような、具体的で、面白そうな企画の「種」が、瞬時に手に入りましたね!この中から、一番あなたの心が躍るものを選び、次のステップで、具体的な物語へと育てていきましょう。
ミニ課題:AIと作戦会議!
ChatGPTに、「AIの面白さを知らない人に向けて、AIの魅力を伝える1分間のショート動画の企画案を3つ考えてください」とお願いしてみましょう!AIはどんなアイデアを出してくれるでしょうか?
第3章:視聴者が離脱しない「動画構成」の黄金律
最高の企画という「種」が見つかったら、次は、その種を、視聴者が最後まで夢中になって見てくれる「物語」という大木に育てるための、土壌作りです。それが、「動画構成」です。
【PASONAの法則】人の心を動かす、最強のストーリーテリング
これは、セールスの世界などで使われる、人の心を動かすための、証明済みのストーリー構成法です。この法則に沿って物語を組み立てるだけで、あなたの動画は、視聴者を惹きつける強力な磁力を持ち始めます。
- P = Problem(問題提起):視聴者が「あ、これ、私のことだ…」と共感するような、悩みや問題点を提示します。
- A = Affinity(親近感):その悩みに対して、「わかります、私もそうでした」と、寄り添い、共感を示します。
- SO = Solution(解決策):その悩みを解決するための、具体的な方法や秘策を提示します。
- N = Narrow down(絞り込み):この解決策が、なぜ「今、あなたに」必要なのかを伝え、限定感や緊急性を訴えます。
- A = Action(行動喚起):最後に、視聴者に取ってほしい行動を、具体的に促します。(例:「続きは本編で!チャンネル登録もお願いします!」)
第4章:キャラクターが輝きだす「セリフ」の書き方
良いセリフとは、ただ状況を説明するだけの言葉ではありません。そのキャラクターの「性格」や「感情」が、声に出して読んだ時に、自然と滲み出てくる言葉です。AIにセリフの初稿を書いてもらうのは、素晴らしい時短術です。しかし、最後の仕上げは、必ずあなた自身が、そのキャラクターになりきって、声に出して読んでみてください。その、あなたにしかできない「魂のチューニング」こそが、キャラクターを、ただの絵から、生きている存在へと変えるのです。
第5章:【最重要】AI脚本の“無個性”さと、ファクトチェックの重要性
AIが生み出す脚本には、私たちがクリエイターとして、常に注意深く向き合わなければならない、2つの大きな「影」が存在します。
影①:AIの脚本は、“平均点の優等生”である(無個性との戦い)
人の心を本当に揺さぶるのは、平均点の優等生ではありません。多少いびつでも、作り手の「狂気」や「偏愛」、「これだけは譲れない」という、熱い魂が込められた作品です。AIの脚本を「完成品」ではなく、「最高の素材」と捉え、あなた自身の「体験」や「偏愛」を混ぜ込み、時にはあえて「セオリー」を裏切ることで、作品を忘れられない芸術へと昇華させるのです。
影②:AIは、“平気で嘘をつく博識な学者”である(ファクトチェックの責任)
AIは、時として、事実と異なる情報(ハルシネーション)を、さも真実であるかのように、断定的に語ることがあります。あなたが動画で発信する情報の、最終的な文責は、AIではなく、クリエイターである「あなた」にあります。専門的な情報や、歴史的な出来事、統計データなどは、必ず、あなた自身の手で、信頼できる情報源を元に、「ファクトチェック(事実確認)」を行ってください。
さあ、最高の設計図が、あなたの手の中にあります。次のステップでは、いよいよ、この設計図に「声」という、命の息吹を吹き込んでいきましょう!
よくある質問 (FAQ)
Q1. 面白い企画のアイデアが全く思いつきません。どうすればいいですか?
A1. 大丈夫です、それこそがAIの得意分野です!講座でご紹介したように、まずはChatGPTに「プロの放送作家」になってもらい、あなたの大まかなテーマ(例:「丁寧語のハムスター」)を伝えるだけで、AIはたくさんの企画案を提案してくれます。大切なのは、AIの提案を「完成品」だと思わないこと。「このアイデアは面白いけど、自分のキャラクターならこう言うかな?」というように、AIとの「壁打ち」を楽しむ感覚で、アイデアを膨らませてみてください。最高の企画は、あなたとAIの雑談の中から生まれるのです。
Q2. 「PASONAの法則」が少し難しく感じます。もっと簡単な構成方法はありますか?
A2. もちろんです!PASONAの法則は強力ですが、慣れるまでは難しく感じるかもしれませんね。そんな時は、もっとシンプルな「PREP法(プレップ法)」を試してみましょう。これは、
1. Point(結論):「今回は〇〇について話します!」
2. Reason(理由):「なぜなら〇〇だからです」
3. Example(具体例):「例えば、こんなことがありました」
4. Point(結論の再確認):「だから、〇〇が大切なんです」
という順番で話す、非常に分かりやすい構成方法です。特に解説系の動画では絶大な効果を発揮しますよ。
Q3. AIに台本を書いてもらうと、どうしてもセリフが硬くなってしまいます。
A3. 素晴らしい気づきです!それが、講座の最後にお伝えした「魂のチューニング」の重要性です。AIは論理的な文章は得意ですが、キャラクターの「個性」や「感情」を乗せるのは、やはり人間の仕事です。AIが書いてくれた80点の台本を、あなた自身が声に出して読んでみてください。「この子なら、こんな言い方はしないな」「ここは、もっと間(ま)が欲しいな」と感じる部分が必ず見つかるはずです。その違和感を、あなたの言葉で修正していく作業こそが、キャラクターに命を吹き込む、最も大切な工程なのです。
Q4. ファクトチェックとは、具体的に何をすれば良いのですか?
A4. ファクトチェックとは、AIが提示した情報が「本当に正しいかどうか」を、信頼できる情報源で確認する作業です。例えば、AIが「〇〇という研究結果があります」と書いてきたら、その研究を発表している大学や研究機関の公式サイト、あるいは公的な機関(省庁など)が出している統計データなどを探し、元の情報(一次情報)と照らし合わせます。個人のブログやSNSの情報は、参考にはなりますが、ファクトチェックの根拠としては少し弱いので注意しましょう。この誠実な一手間が、あなたのチャンネルの信頼性を守る、最強の盾になります。
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