「AIで可愛いキャラクターが作れた!よし、LINEスタンプにして販売するぞ!」
そう意気込んで申請したのに、待てど暮らせど審査に通らない…。そんな悲しい経験をした、あるいは、これから挑戦する上でそんな未来が不安だ、という方も少なくないかもしれません。
こんにちは、福祉×AIクリエイターの山本です。私自身も、初めてAI生成イラストでスタンプを作った際には、数々のリジェクト(審査落ち)を経験しました。しかし、その失敗の中から、AIイラストならではの「審査をクリアするための鉄則」が見えてきたのです。
この記事では、私の実体験に基づいた、AI生成イラストでLINEスタンプを作る際に、リジェクトを防ぎ、スムーズに販売までこぎつけるための「4つの鉄則」を、包み隠さずお伝えします。
鉄則①:ライセンス - そのAI、本当に「商用利用OK」ですか?
これが最も重要で、そして多くの人が見落としがちなポイントです。あなたが使っている画像生成AIサービスや、モデル(画風データ)、LoRA(追加学習データ)は、本当に「商用利用」が許可されていますか?
必ず確認すべき「魔法の許可証」
- サービスの利用規約: 使っているWebサービス(SeaArtなど)の利用規約を必ず一度は確認し、「生成した画像の商用利用」が許可されているかを確認しましょう。
- モデルとLoRAのライセンス: 特にStable Diffusionを使う場合、モデルやLoRAの配布ページ(Civitaiなど)で、「Sell images a la carte(画像を個別に販売する許可)」が「Yes」になっているかを必ず確認してください。
▶ 詳しくは講座⑤「Stable Diffusion入門」のライセンス確認方法を参考にしてください。
この「許可証」を持たずに販売することは、ルール違反です。必ず確認する癖をつけましょう。
鉄則②:オリジナリティ - それは本当に「あなたの作品」ですか?
LINEの審査では、「著作権を侵害していないか」が厳しくチェックされます。AIは時に、学習元となった既存のキャラクターに酷似したイラストを生成してしまうことがあります。
「偶然似てしまった」を防ぐために
- 具体的なキャラクター名は使わない: プロンプトに「〇〇(有名なキャラクター名)風」といった指示を入れるのは絶対にやめましょう。
- 必ず“あなただけ”の要素を加える: AIが生成したイラストをそのまま使うのではなく、「服装を変える」「小物を加える」「髪型をアレンジする」など、あなた独自のアイデアをプロンプトに加えることで、オリジナリティは格段に高まります。
AIは最高の「アシスタント」ですが、最終的な作品の「作者」は、あなたです。あなたの個性を加えることを、何よりも楽しんでください。
鉄則③:技術仕様 - LINEスタンプの「公式ルール」を守っていますか?
LINEスタンプには、サイズや形式に関する、厳格な「公式ルール」が存在します。このルールを守れていないと、内容は素晴らしくても、審査の土俵にすら上がれません。
最低限、これだけは守ろう!3つの技術ルール
- 背景は透明か?(透過PNG): キャラクター以外の背景は、必ず透明にしましょう。詳しい方法は講座⑧「Photopea入門」で解説しています。
- サイズは正しいか?: スタンプ画像の最大サイズは「幅370px × 高さ320px」です。これより大きな画像は、申請時にエラーになります。
- 余白はあるか?: 画像の上下左右に、10px程度の透明な余白を設けることが推奨されています。キャラクターが画像いっぱいに描かれていると、見づらいと判断され、リジェクトの原因になります。
鉄則④:コミュニケーション - それは、本当に「スタンプ」ですか?
意外と多いのが、このリジェクト理由です。「日常会話で使いにくい」と判断されると、審査を通りにくくなります。
あなたのスタンプは、誰かの「言葉」になる
スタンプは、単なるイラストではなく、コミュニケーションを円滑にするための「言葉」の代わりです。あなたのスタンプセットの中に、「ありがとう」「OK」「ごめんね」といった、日常で誰もが使う基本的な感情表現が、バランス良く含まれているか、もう一度見直してみましょう。
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